リップルといえば仮想通貨を思い浮かべるが、厚田のリップルはまるで別世界だ。
ここでは、日本海を眺めながら、石窯で焼かれたピザと味わうことができる。休日には行列が絶えないが、その待ち時間すら厚田の豊かな自然の一部として感じられるほどだ。
石窯の中では、広葉樹の薪が放つ遠赤外線によって、生地がじっくりと焼き上げられる。外はパリッと、中はもっちりとし、じんわりと水分が閉じ込められている。まさに、この薪の力が、石窯のなかで生地に魔法をかけているのである。
今回頼んだのは「3種のフンギ」。
舞茸、しめじ、エリンギが贅沢に使われ、ほんのり塩味が効いたキノコの旨味が、チーズのコクと一体となって調和を生み出している。
噛むごとに、キノコの風味が広がり、チーズと絡み合うその瞬間に、言葉を忘れてしまうほどの幸福感が口の中を満たす。
ピザの美味しさ、生地の香り、日本海の絶景――これらが交錯するリップルは、まるで五感がすべて開放されるような場所だ。
ピザを頬張るたびに、薪で焼かれた生地の芳しい香りが広がり、目の前に広がる大海原の絶景が、食事を特別なものに変える。
リップルで過ごす時間は、厚田方面への旅そのものに、新たな彩りを添える瞬間にほかならない。