はぐれ道中~旅情編~

時の止まる場所でどっぷり浸る、懐かしさと癒しの旅路

記憶の断片

記憶の断片(6)大阪もちまろ菓

俺は甘いものをあまり食べない。子供の頃、虫歯の治療で大泣きした経験があり、それ以来、自然と甘いものを避けるようになった。中でも和菓子はほとんど口にすることはないのだが、この「大阪もちまろ菓」だけは別だ。 口に含んだ瞬間、ふわっと広がる上品な…

記憶の断片 (5) さよなら、赤電

国鉄711系電車(岩見沢駅) 1968年、北海道初の国鉄電車として導入された711系――その真っ赤な車体は、いつしか「赤電」という愛称で道民に親しまれるようになった。 国鉄711系電車(美唄駅) 約半世紀、風雪に耐え、広大な大地を駆け抜けた赤電は、2015年3月…

記憶の断片(4)地酒で蘇る函館の息吹

昨夜、満月の光が差し込む部屋で、俺は数日前の道南の旅で手に入れた「五稜乃蔵」の特別純米酒を静かに開けた。すっきりとした飲み口と柔らかな風味が、体にじんわりと染み渡る。 函館は観光地としては有名だが、長らく地酒がないと言われてきた場所でもあっ…

記憶の断片(3)浜醤油まんじゅうの甘さに包まれて

ホテル恵風オリジナル「浜醤油まんじゅう」 恵山から帰ってきた翌日、全身に残る疲労感を感じながら、手に取ったのはホテル恵風オリジナルの「浜醤油まんじゅう」。異日常とも言うべき時間を過ごしたあの場所を思い出すきっかけとなった。まんじゅうのほんの…

記憶の断片(2)旅の温もり、湯の花の記憶

旅が終わって家へと戻ると、いつも温泉の心地よさを思い出す。肌にしみ込む温かさ、そして体の芯から癒してくれるあの瞬間が、再び蘇るような感覚を欲しているのだ。そんな時、この湯の花をお風呂に入れることで、ほんのひととき旅の記憶が蘇る。 この天然の…

記憶の断片(1)潮風が運ぶ故郷の味、うに

北海道桧山産の生うに 道南で生まれ育った俺にとって、ウニというのは特別な存在だ。ましてや桧山産のウニがスーパーに並んでいるのを見かけると、言葉にならない感情が込み上げてくる。桧山の海で育った俺は、海の匂い、潮風の冷たさ、岩場で採れるウニの風…