味わいの旅路(13)旅の終わりに食すあんかけ焼きそば【三八飯店・長万部】
道南を旅する際、いつも帰り道に立ち寄る場所がある。それが長万部にある「三八飯店」だ。
幼少期からこの店はそこにあり、大きな看板のインパクトから、かつては「浜チャンポン」が店名だと思い込んでいた。
だが、今ではこの店が旅の終わりを告げる場所として定着している。
店内に入り、いつものあんかけ焼きそばを頼む。
レギュラーサイズとはいえ、そのボリュームは驚くほどだ。
醤油味のあんかけは、意外なほど優しく、見た目に反して胃に重たさを感じさせない。
中年太りの自分には、多少の罪悪感はつきまとうが、そんな気持ちはここでは脇に置くべきだろう。
口に運ぶごとに、旅の疲れも一緒に消えていくような感覚が広がり、気がつけば一皿を完食している。
食事を終えた瞬間、この旅も終わりに近づく。ここでの食事は、道南の旅路の終点でもあるのだ。
雪が降る前に、もう一度この店に足を運びたいという思いが、ふと心をよぎる。