味わいの旅路(13)旅路に染みる函館牛乳の透明感【あいす118・函館】

函館空港の近く、小高い丘の上に静かに佇む牛乳工場、それが「函館牛乳」だ。
道南で育った俺にとって、この函館牛乳は特別な存在だった。
小さい頃から直売車で買っては飲み、そのスッキリとしたのど越しが今でも鮮明に思い出される。
今は旅の途中で、ドライバーゆえに酒を飲むことはできないが、だからこそ函館牛乳の透明感のある味わいが、体に沁みわたる。

工場の敷地内には「あいす118」という小さな売店があり、観光客や地元の人々に親しまれている。
ここで食べるソフトクリームは、甘すぎず、函館牛乳の風味が生かされた素朴な味わいだ。
中年の俺にとって、そのさっぱりとした甘さがちょうどいい。
昔のように無邪気に甘いものを求める年齢ではないが、このソフトクリームなら自然に手が伸びる。

さらに、オリジナルの「牛乳コロッケ」も忘れられない。
外はサクサク、中はほんのり甘みが広がる。その絶妙なバランスは、函館牛乳の味わいを引き継いだ一品だ。
このコロッケもまた、旅の途中の楽しみとして欠かせない存在となっている。

道南を旅する中で、この場所はただの休憩地点ではない。
地元の味を思い出し、懐かしさに包まれる瞬間がある。
それは、旅の疲れを癒すだけでなく、過去の記憶を呼び起こし、心を満たしてくれる場所だ。
また次に函館を訪れる際も、この思い出の牛乳の味を楽しみたい。

